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5月16日 白谷雲水峡

昨日の興奮もさめやらぬ状態であったが、やはり寄る年波には勝てず、身体は悲鳴をあげている状態である。
集合時間も大幅に遅らせ、9時過ぎにロビー前に集合することにした。
時間ができたので、ホテルの中をウロウロと探検する。
まずは宿泊した部屋。
通常は二人部屋なのだが、格安ツアーでの予約のため、強制的に3人部屋へと変身している。



何たって屋久島では最高クラスのホテル。何かと面白いものが目白押しだ。
ロビーには縄文杉のレプリカが置いてあるし・・・・
これはアメリカのハリウッドに注文して作られたものらしい。
そのためか、縄文杉にはまったく似ていないのが笑えるのであるが・・・・



さあ、いよいよ出発の時間である。
意外と皆さんはピンピンの元気状態で、今日の白谷雲水峡を楽しみにしているようだ。
天気もおあつらえ向きの、今にも泣き出しそうな空模様だ。
白谷雲水峡に限って言えば苔が最大の売りでもあり、ピーカンに晴れているよりも霧雨か、霧が出ているような状況がもっとも好ましいのである。
雲水峡まではちょうど島の反対側、結構なドライブとなるために、車窓の景色を楽しみながら移動する。
最大の目標である縄文杉を見終わったので、全員がゆったりとした気分となっているようだ。
10時過ぎには雲水峡の駐車場に到着するが、既に駐車場は満杯状態で、3台駐車するのに手間取ってしまう。
園内に入ってまず現れるのが弥生杉である。


雲水峡内では最も古く、太いスギとされているが、かなり樹勢の衰えが見られる。初めて出会った当時よりも、かなり根元付近は衰えてきているようだ。
実際に見ると、規模としては後に出てくる二代大杉よりも小さめである。


途中には何度となくシカが現れるが、まったく人を恐れない。
ご覧の通り、我々の行く手を阻んでエサをくれるのを待っているような状態である。
遊歩道を歩いていると、必ずどこからか水の流れる音が聞こえてくる。
いたるところから水がしたたり落ち、それが一条の流れとなり遙か下方にある沢まで流れ下っていく。
そんな自然の営みを目の当たりにできるのは、都会に住んでいてはなかなか出くわすことができない。そんな人間にとって当たり前の日常の出来事だったことが、この雲水峡では実感することができるのだ。
何故か懐かしい気持ちにさせられるのは、そういったことからなのだろうか?


周囲の木々や石など、すべて苔に覆われている状態で、歩いていても疲れを感じさせず心癒されるひとときである。

そんな遊歩道を30分ほど進むと「二代大杉」が現れた。



何故か知らぬが、このスギはかなり巨大な図体をしているのだが、屋久島のスギの代表として名前が挙がってこない。
どういった理由かは知らぬが、解説板にある大きさなどが影響しているのだろうか。



見たところ幹周は13m以上はありそうに見えるが、後ろからの写真でも分かるように、根上がり状態のスギとして捉えられ、地上数mの地点を測ってしまったのかもしれない。
もしも許されるなら、新たに計測を行いたいところであるのだが・・・
屋久島全体の計測見直しが行われたならば、恐らく日本のスギ番付も相当変わってくるだろう。

二代大杉から10分ほどで三本足杉に到着する。
これも倒木の上に新たに成長したスギが形作った奇木である。
樹齢はまだまだ若く、恐らく300年前後のものだろう。
白人の方が先着してしきりに写真を撮影しており、A氏が英語で話しかけたかどうかは不明だが、外人さんのスナップを手伝ってあげていた。


ここに来てちょうど昼時となった。
ホテルで用意してくれた弁当を広げ、昨日とは打って変わって和んだ雰囲気の中での食事となる。
やはり皆の心の中には、縄文杉まで行けたという安堵感があるのだろう。
同時に気のゆるみもあったようで、メンバーの一部のものが謀反を起こしかけていた事実もあった。(笑)
まあ、これだけの大人数であれば問題も起こることは想定済みであったが・・・



食事も済み再び歩き始めると、まもなく三本槍杉が現れる。
ちょうど他のパーティーが下山してくるところで、「やりすぎには注意しましょう!」などと冗談を言って笑わせてくれた。
一気に我々の気持ちも和む。
まあ、我々は酸いも甘いも知り尽くしているリタイヤ軍団である、ちょっとしたことでは動じないんである。(笑)
それにしてもこの杉、倒木の先端が生き残って再び成長したものか、新たに新しい杉が癒着して成長したものか、ちょっと見だけでは判断できなかった。

その後も、こういった歩道が連続するが、奥に入り込むほど渡渉が多くなってきたのである。
同時に雲行きも怪しく、細かい霧雨が落ちてきた。
これは写真を撮るには願ったり叶ったりである。
一部の人間は大喜びしたのは言うまでもない。(私を含めて)



比高30mほどの尾根を越えると奉行杉の登場である。
慣れとは恐ろしいもので、もうこのあたりでは大きなスギが登場してきても、感動は全くなくなってしまっている。麻痺してきているのだ。



この先で、最後の大きな川の渡渉があった。
ちょうど大きなスギが川面に覆い被さるようにあり、なかなかの雰囲気の場所である。
ここで一休止を入れる。


川の水をすくって飲むが、冷たくてなかなか美味い。
シカが増えすぎていることもあり、本来であれば飲むべきではないのかも知れないが、語弊があるかも知れないが我々の世代は半分腐ったものも平気で食べてきた世代だ。サナダムシを養っていた方も多いことだろう、これくらいの水であれば、いたって平気である。


いよいよ最終目的地である「もののけ姫の森」が迫ってきた。
苔はますますその緑の深さを増し、スギの根もあらわとなって歩きにくい道となってきた。
行き交う集団もほとんど見なくなった。



このあたりは木の空洞をくぐるスギが連続して登場する。
細いものから太いものまで、多種多様である。



くぐり杉を抜け、七本杉を通過し、ようやく目的地の「もののけ姫の森」に到着した。
ここでは九州方面から来たというカメラマン軍団と遭遇。しきりに苔の写真を撮影しているが、全員中判カメラを構えているのには恐れ入った。
話を伺うと、巨樹だけではなく自然全般を撮影しているとのこと。
ここで霧雨だった雨が大粒の雨に変身する。
カメラマン軍団は虎の子のカメラを濡らしてはなるものかと、そそくさと下山していき、にわかに静寂な森へと変化する。



ネーミングからもお分かりの通り「もののけ姫の森」は、想像していたものとはかなりの落差があった。
観光客に媚びた名前を付けていることからして、それほどの期待はしていなかったが、やはり期待はずれであった。
しきりにPRしている地元の方々には申し訳ないが、これがいつわざる心境である。

我々も大粒の雨には勝てずに、長居をすることは叶わず撤収することを余儀なくされた。
駐車場に到着するや土砂降りとなり、間一髪のところであった。

島を半周してホテルに戻り、早速お待ちかねの夕食である。
初日に出向いたお店が皆のお気に入りとなり、今晩は2000円で食べ放題に近いもてなしを受けてしまった。
店のご主人とも親しくなることができ、次回のツアー企画の際も寄ることを約束してお別れする。
ホテルに戻ってからは、やはり屋久島最後の夜ということもあって、ロビーの喫茶店でくつろいだり、互いの部屋を渡り歩いてしみじみと語ってみたりと、皆さん思い思いの夜を過ごしたようである。


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