天然記念物 五十谷の大スギ

一、名称 五十谷の大スギ

二、県指定年月日 昭和五十年十月七日
 

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猿倉温泉                              5月23日夕刻

雨の中を走り続け、なんとか猿倉温泉鳥海荘に到着。
なかなかモダンな雰囲気に、こんなホテルに泊まっちゃって良いものかとドギマギするのでした。
なにせ、旅先では車中泊しかしないのだから、とんでもなく贅沢なことなのです。
食事に黙っていてもありつけるなんて、なんだか夢のようですねー。

中も洒落た作りになっています。
やはり一人で宿泊ということで、一番端っこの不便な部屋を割り当てられましたが、文句などは一切ありません。
布団に寝られるだけで満足なのですから。

夕食は食堂で食べますが、昼間は飲まず食わずで走るため腹が極限に減っており、食堂にも一番乗り!
ウエイトレスの綺麗な秋田美人のお姉さんが付きっきりで面倒を見てくれます。
スラッとしていて、スタイルも抜・・・・・おっと。
一人で食べているので、次第にその娘の視線が気になり出しました。
変な親爺がものすごい勢いでメシを食っているぞ・・・・ってな具合でして。(笑)

部屋に戻るとほとんど暗闇になっていました。
窓の外はモリアオガエルの大合唱です。ガロガロ、ゲロゴロ、カパコポ・・・なんか訳の分からない声で鳴いていますが、うるさいとは感じません。
9時頃に眠りに落ちましたが、しばらくすると隣の部屋からドスン!という音で目を覚ましてしまいました。
テレビの音も大音響で響いております。
これはフロントにいって部屋を変えて貰わないとダメかな?と思い、外に出たら隣の住人もちょうど外へ出てきました。
なんと60くらいの酔っぱらいのオサーンです。
隣の状況を話すと、「すんません」と言い、テレビは消してくれて、いきなりシーンとしてしまいました。
オサーン、えらいっ!

象潟へ取材慣行                            5月24日

朝、眼をさますと、ほぼ予想どおりというか、やはり雨が降っています。
モリアオガエルの喜ぶ声が悲しく響きます。ガロガロ・・・・
鳥海荘を後にし、象潟めがけてよどんだ空の下、冴えない気分で車を走らせます。

途中にあった高い橋には鳥の展望台が作られています。
その脇で、しきりに川面を狙うカメラマンが数名いらっしゃる。
おおっ!これは撮影ポイントに違いないっ、と思い慌てて車を停めます。
下を覗くと新緑の中、渓流が勢いよく流れていますが、それほどのポイントとは思えません。あまりじろじろ眺めるのもなんなので、よく分からなかったのですが、どうやらハッセルブラッドでご満悦のご様子。
カメラマンが数人橋の欄干でたむろしているわけでして、後続の車も用事がないのに皆さん車を停めます。やばくなってきました・・・・。
長居は無用と一言二言口を交わし、すぐにお別れします。
象潟の町まではずっと下りが続きます。途中には田植えをしている田圃が結構あり、本州中部とは半月の差があるようです。

オバサンに何を植えているのか聞いてみますが、知らん!との返事が返ってきました。おいおい、自分の田圃に植えている稲の種類も知らんのか?と突っ込みたかったのですが、ここは我慢しました。(*゚д゚) 、ペッ

なかなか良い雰囲気の斜面が続きます。
このスギはどうして残したのでしょうね?
この水田はまだ稲が植えられておりません。

このあたりは完全に鳥海山の山体崩壊による泥流原です。
今から2600年前、山頂北側から噴火を始め、山頂付近が崩れ落ち、それが泥流となり象潟、仁賀保方面に流れ下りました。
この泥流の下には、いったい何名くらいの人が埋まっているのか・・・・・
今現在、これとまったく同じ噴火が起きたとしたら、数万人は命を落とすこととなるでしょうか。
この噴火のお陰で象潟の絶景が出来上がったのですが・・・・。
鳥海山が、これほどまでに強烈な噴火をしたという事実、秋田県、山形県で知っている方は果たして何割いるのでしょうか?
おそらく1割もいないことでしょう。活火山であることを知らない方も多数いるのでしょうな、きっと。

途中には風力発電の風車が何本も立っています。
昨年、庄内で特急が突風によって脱線転覆したように、鳥海山周辺は日本でも風の強い地域でもあります。
にかほ市の風力発電量は、日本でも確か有数だったと記憶していましたが。

象潟の町が見えてきました。
ようやく陽も射してきて、鳥海山が見られるのか?と期待も高まってきます。
まだ田植え前の田圃がきらきら光って、得も言われぬ美しさですねー。

町に入るとハンコタンナを付けたオバサンが目に留まります。
ちょっと声を掛けさせていただきました。
覆面をしているので、秋田美人だったかどうかは分かりませんでしたが、根掘り葉掘り質問攻めにします。
象潟では、この覆面のことを”ふくみ”と呼ぶのだそうです。
庄内では「はんこたんな」、由利地方では「はなふくべ」。農作業の時の日よけや、汗をかいても吸収してくれるからするのだと聞きました。
しかし、佐竹の殿様がスケベだったからとの噂の方が真実味があります。
さらって行ってから、ありゃ、こりゃ失敗!ということにもなりかねないもんね、この覆面じゃ(笑)
現在では、若い女性は色鮮やかな赤いつなぎにサンバイザーという格好で田植えをしているようですが。
15分ほど、いろいろとお話を聞かせていただき、お母さんを取材したこと、本に必ず出しますからね!といってお別れします。
恥ずかしがっておりましたが、とても喜んでくれたのには感謝の気持ちでいっぱいです。
お母さんと別れてからは、鳥海山北麓の名瀑、名曽の白滝に向かいます。

ちょうど雪解けのシーズン、水量は豊富です。といいますか、豊富過ぎちゃいます。
観光客もほとんど無し。滝を独り占めすることができました。
ただ、周辺の枝が伸びすぎており、展望台からも眺望がきかなかったのが少々惜しまれます。
滝のすぐ上流では釣り人が川の中に入り、水の流れに逆らいながら釣りをしております・・・・足をすくわれて流されたらどうするんでしょう?
以前、何度か釣りをしたことがありますが、釣り人は死を恐れない方が多いのです。命よりも魚ってな人が結構いるのには驚きました。
やはり生き物を殺して遊ぶ行いは、私には向いておりませんでした。それ以来、二度と釣りはやるまいと誓ったのです。

白滝から上流に数キロの地点には元滝伏流水という、これも名瀑があります。
個人的にはこちらの方がおすすめです。
鳥海山の溶岩流末端から、大量の伏流水が轟音と共に湧き出ております。
周辺は滝の爆音と、水しぶきで幽幻な雰囲気を醸し出していますが、こちらはカメラマンが10人ほど場所を占領しており、こちらは小さくなって撮影します。
それを見ていたらピンと来ました。昨日宿泊した鳥海荘でお見かけした方がいるではないですか。
そうか、大館写真家なんたら・・・・そんな愛好家集団だったような。
相撲取りのようにへその前で手刀を切りながら、良い場所に入らせていただきます。
こちらはよそ者なので、さっさと撮影を済ませ、そそくさと退散です。
今度来た時は、数時間粘っても良さそうな滝ですね。
そろそろ日が傾いてきました。
中島台は今日の日の昇っている間に回っておきたいと考え、車を走らせます。

途中には山羊が遊んでおりました。
相当人慣れしているようで、こちらが近寄っていくと笑い出しました。
距離は1mくらいまで近寄ります。
「メヘェ〜」
一声鳴いてから、足にまとわりついてきました。
そして別れ際に、おでこで思いっきり押してきます。「おおっ!凄い力だ」
車に乗って走り去るまで、ずっとこちらを見送ってくれました。可愛い奴です。

やっとの思いで中島台リクリエーションの森に到着しました。
これから山に入ると、出てきた頃には薄暗くなるだろうと考えますが、遠征先ではそれも致し方ないこと。
覚悟を決め、遊歩道に足を踏み入れます。
まず水芭蕉が出迎えてくれますが、ほとんど花の時期は終了のようで、しぼみかけた花が所々に見えています。

木道が設置されており、晴れている日には歩きやすいのでしょうが、雨の日にはつるつるすべって足元が心許ない状況となります。
この上を2時間ほど歩くとなれば、ちょっとめげてしまいます。
しかし、今日は車中泊しようと心に決めているので、少々遅くなっても構わないか・・・・と思いつつ、先を急ぎます。

早速奇形ブナの登場です。
奇形ブナ・・・・ちょっとブナに対して失礼ではないか?と考えていても、やはりそのように見えてしまうから仕方がない。
森の中は相当暗いのだが、そこはデジカメの威力でなんとか撮影します。
一度伐採したところから新たに成長したと聞いてはいますが、どうもそれだけではないようです。鳥海山からの火山ガスなども多分に影響しているように思うのだが・・・。
こう考えているのはおそらく日本で自分だけだと思うが・・・・。

前回訪問したとき、この森の案内人の方が前を歩いておられ、その時にこのブナの名前を聞いてしまっていた。
ロウソクを乗せる「燭台」に似ているでしょ!
今回は樹名板などが設置されており、木道もすぐ側に設置されている。
写真を撮影するには邪魔者。致命的なことをやってくれてしまった。
今回はフォトショップCS2にて処理しようと思い、最高のアングルはHDR処理用に撮影してみました。
この写真のアングルは良く撮影されていますが、実はさらに迫力があるアングルがあるのです!
如何せん夕闇が迫っており、HDR用の撮影は6秒という超スローシャッターまで使う始末。果たして上手く行くんであろうか?

そうこうしているうちにあがりこ大王に到着する。
これよりも、先に見た燭台のブナの方が迫力があるようです。
ここの森の主的な存在とされています。また、林野庁の森の巨人百選にも選定されています。
あたりは薄暗いのだが、いきなり背後でガサゴソッ!
うわっ、クマか?
と思い振り返ると、カメラマンのオサーンがウロウロしています。
勘弁して欲しいよ、まったくもう・・・・
とてもじゃないけど、ブナをじっくり気分も消え失せ、湧水池に逃げるように向かいます。もう完全に出口に戻る頃には暗くなるであろうと諦めながら。

あがりこ大王から小走りに20分。
まだほとんど人が入らないらしく、途中には雪があったり、踏みあとがはっきりしていなかったりと、ここはまだまだ冬を引きずっているようです。
ようやく「でつぼ」に到着する。
さすがに水は綺麗なのだが、Phは4.8とか。
おそらく鳥海山のマグマ由来の物質が混じり合い、酸性の水となって湧き出ているのだろう。
中には飲んでいる方もいるようだが、腹を下さないように気をつけてくだされ。
でつぼとは、クマの水飲み場との意味もあるらしいのですが、周囲を見渡すと人っ子一人も見あたらない。クマが出ても不思議ではない環境であるのは間違いのないところだ。

出口に向かい、ほとんど走るような状況となってしまった。
写真を撮っている場合ではない。
それでもカメラを向けてしまうのが性なんですかね、つい水が流れていたりするとカメラを向けてしまいます。
でも焦っているから止まらないんだよね。
出口には、予想どおりにほとんど暗くなってからの到着となってしまいました。
当然ながら、駐車場には自分の車のみ一台がぽつり。
車に「待たせたね」と声を掛け、ここで寝てしまおうかと思案するも、食料がないので少々町に下ることとした。腹が減っては寝ることもできません。
かなり焦っているので、相当なスピードで坂を下ります。
すると、町に入る手前に真新しい温泉宿が見えてきたのです。
「鶴泉荘」かくせんそうと読むのかな?核戦争?はて・・・
と、よからぬ事を考えながらフロントに向かいますが、宿泊料金を聞いてびっくり!
晩飯は時間が遅いのでできないが、朝食のみなら3000円でどうだ!ときた。
これは破格値。あっさり「おながいします」ということで交渉成立。
フロントのオジサンが、これまた良い方でいらっしゃって、いろんな資料、パンフレットなどをかき集めて取材に協力してくれた。
閉店間際の町食堂に飛び込み、ラーメソを食べてとりあえず腹は満たします。
宿に戻ってから、オジサンとしばらく話し込むこととなり、さらにいろんな情報を与えてくださったのです。
稲は主に「ひとめぼれ」あきたこまちはこのあたりではあまり植えないと。
「はえぬき」は、山形が種籾を他県にあまり出荷しないので、秋田では作付けはあまりないと。その他諸々、地元の方だけが知る情報を教えてくださった。
最後に、明日は朝の内だけは間違いなく鳥海山が見えるよ!とも。
真新しい宿で、急な飛び込みの客にも丁寧な対応で、今回の旅一番の満足で布団に潜り込む。
外は前日と同じくカエルの大合唱であった。
布団は太陽の香りでいっぱい。
ああ、うれしい・・・・

 

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