奈良、和歌山へ 

2002年11月6日〜

11月6日

夜通しで走り続け、駒ヶ根市あたりでついにダウン。
ほんの数時間の睡眠だったが、目を覚ますと素晴らしい景色が眼前に広がっていた。
中央アルプス木曽駒だ。もう完全に雪化粧で、南北アルプスにも引けを取らない雄大なスケールに感動する。

いつまでも景色に酔い続けていてはもったいない。早速巨樹巡りを開始しなくては・・・。

円通寺のサワラってのがあるはずなのだが、5人ほどのジモピーに聞いてもわからないとの返事。もう諦めかけた時に聞いた方が、「わからんね〜、あっ、もしかしたらあれかぁ?あそこにみえる、ほれっ!あれだ。むかしお寺だったんだ、そういえば、あはは」と笑いながら教えてくれた。人が良さそうなおじさんだ。
確かに遠方に傾いた巨木がポツンと一人立っている。
資料には幹周6mとあるのですが、どうしてどうして7mを越える日本でも有数のサワラなのでした。

すぐ側を通っている中央高速の駒ヶ岳サービスエリアにおじゃまし(一般道からも人間だけは入れる)、軽い食事とお土産を仕入れ、ついでにトイレもお借りいたしまして、次の目的地である駒ヶ根市の名刹光善寺へと向かう。
到着してみるとイメージしていた寺とはかけ離れ、完全に観光地化していたのは少々残念な思い。しかし参道の杉並木は評判通りの荘厳な眺めだったのは救いであったといえそうだ。
平日にもかかわらず観光客でごった返しており人気の高さを伺わせるが、人が大勢集まるところで良い写真が撮れた試しはなく、デジカメに納めるだけで銀塩には記録する気持ちも起きない。ここはうっすら雪化粧した早朝に撮影するのが一番なのかもしれない、などと考えながら足早に参拝を済まし車へと戻ることにした。

さて、白沢のクリという有名な木があるはずだったが、白沢の字名がどこかわからない。ここはいっぱつ役場に聞くべと思い電話をすると、とても親切な対応で居場所を教えてくださった。
過去には直接観光課に訪問し木のあり場所を訪ねることもあるが、ここまで親切な対応は珍しい。さすが文化度の高い長野県だけのことはある!と感じた瞬間。
少しは見習いなさい。山陰の岸○町。ゴルァ
電話でわかった場所を確認してみると、現在場所からそう離れていないようだ。木の方でおいでおいでをしてくれていたのだろうか?

ちょうど紅葉しかけたところだったが、すぐ背後には民家が迫り、とても撮影できるような状況にないのが残念だ。
何とか根元から煽ってみるが、こんな写真しか撮れない状況がとても恨めしい。
根元にはイガが落ちているが、そんな大量ではなく、この木が逆にまだまだ健全であることを知らせてくれている。

さあ、いよいよ旅もラストスパート。
旅の始めと終盤にカツラに寄るといった、いかにもカツラ好きらしいラストとなった。

伊那市内ノ萓。
ここのカツラは、まったく人知れずにひっそりと佇む孤高のカツラだ。
沢沿いにあるわけではなく、山の斜面に無造作に生えている。
大山祇神を祀った祠があるので、おそらくは山の神として崇められてきたのであろうか。人里離れたこの地の神木にお神酒が供えられているところを見ると、現在でもこの木に詣でている方がいるのを知ることとなる。
あるいは水神様として信仰されているのかもしれない。
明るい場所にあっけらかんと立っている姿は、いままでのカツラのイメージとはかけ離れた特別な存在だ。
一言付け加えておくと、このカツラに到達するまでの沿道に並ぶカラマツの黄葉はとても見事だった。

この寒さの中、根元にはバッタが佇んでいた。
寒さゆえ動きは緩慢だが、カメラを向けても逃げようとはせず、逆にこちらを観察しているかのようにさえ感じる。指を差し出すと平気で指の上に乗ってくるし、もう自分の寿命がいくばくか知っているのだろう。
バッタとカツラ、別れがたい気持ちを振り切り下界へと降りる。

いよいよ日没が迫ってきた。
そうだ、箕輪町の木の下のケヤキに逢っていこう。

ここのケヤキは幼稚園の校庭にある変わり種。今までは根元を踏み固められているので心配していたが、今回訪れてみるとウッドチップがまんべんなく敷き詰められ、木ものびのびと気持ちよさそうにしている。
今日は箕輪恒例の餅つきがあったそうで、「あなたも、もう少し早く来たら良かったのにね〜」と園長さんに言われるも、山の中でバッタと遊んでいたのだからしょうがない。
環境省の報告では12.45mの大きさとなっているが、実際に測ると13.2mとの結果が出た。元気なケヤキでは全国第3位のとんでもないものだ。

デジカメの弱さか、微妙なコントラストが表現されずに飛んでしまっているのが残念。こういったところにデジタルの弱さが見えるが、数年後には解決されているのでしょうね、きっと。
そういえばキヤノンからEOS-1Dsの内覧会案内が届いていた。35mmフルサイズ、1110万画素という信じられないようなスペック。値段も書いてはいないけど、信じられないほどのものなんでしょうね。
いつ手に入れられるかは、はなはだ疑問。こいつなら微妙な表現は再現できるのかなぁ?

いよいよ日没。
辰野町に入りシダレグリに寄ろうとするも、もはや時間切れか。代わりに町内にある天龍界のけやきに逢っておこうと足を向けるも、あたりは夕闇が刻一刻と迫ってくる。
到着するも、やはり日没には間に合わなく、木は夕闇の中に紛れ込もうとしている最中であった。
完全に日没後の撮影のため、補正によって何とか明るさを出しているが、写真としては完全なペケ。
木の迫力は一級品で、明るいうちに一度訪問することにしようと思いながらの撮影となってしまった。やはり気合いが入らずに、いまいちの写真ばかりであったのは本人も承知済みだ。
返ろうとすると近所のおばさんに捕まってしまい、10分ほどあれこれと話を聞く羽目になってしまった。またいつものあれだ。そんな状況で、この木を辞するときには完全に闇の中となってしまったのはいうまでもない。

諏訪からの通い慣れた帰路。もう何度通ったことだろうか。自宅には23時頃の到着となった。
途中の富士見付近では中央線の特急がすさまじい勢いで追い越していき、たまには電車で旅するか・・・・などと考えたりもした。
ぐったりと疲れ果て、さすがに年はごまかせないです。
全走行距離約1,600km。ほとんど移動していないといってもいい旅だったけど、やはり時間に制限があると良い写真は撮れないと改めて感じる次第です。
無職の頃の自由さが、今になって恨めしく感じられた旅でもあった。

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