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長野、三重、滋賀、福井の旅
2002年 3月 24日〜
3月24日
昨夜のうちに兵庫県和田山町まで移動しておいた。
朝起きて空を見やると、相変わらず今日も鉛色のどんよりとした空模様だ。黄砂もまだ収まらないようで、車は相変わらず泥の中を走ったような汚れようだ。
竹ノ内集落から遡ること4km地点、糸井のカツラへの入り口に到着する。糸井のカツラは床尾山登山口にあたり、このカツラに安全を祈願してから山に入っていくことになる。ちょうど10人ほどの登山者たちがカツラを見上げながら、床尾山に入っていくところだった。
幹の中心にあるべき主幹は、すでに朽ち果てて存在せず大きな空間を形作っている。
全体の幹周りは約18m 高さは33m
昭和26年には、国指定天然記念物に指定されるほどの、日本でも有数の雄株のカツラの巨樹だ。
続いて関宮町の別宮のカツラに向かう。糸井のカツラよりはいくぶん小振りだが、私にとってはこちらのカツラの方が圧倒的に上のランクだ。
根元には縦横無尽に小川が流れ、まさに水の中に生きているカツラだ。
幹の太さは 約15m 樹高は27m 兵庫県指定天然記念物

さすがスキー場があるような高地。3月半ばとはいえ、撮影中にいきなり雪が降ってくる様な厳しい気象条件の地にある。樹の正面には氷ノ山が望まれるとても風光明媚な地でもあるのだ。 
撮影中にも、カツラの根元から沸き出す名水を汲みに来る人が数名訪れる。私もこの樹を去る際、ポットに水を満タンにしてから別れの挨拶をする。
本当は兵庫で最大の杉であるホードー杉(関宮町)に会いに行きたいのだが、氷ノ山中の案内人無しでは分からないところにあるらしく、諦めざるを得ない。せっかく近くまで来ているのに残念だ。夏場の雪が消えた頃にでも再び来ることを誓い関宮町を辞すことにする。
明日は、あの山の向こう、氷ノ山を挟んで隣の谷にある美方町に入る。 3月25日 この町、美方町にはトチノキの巨樹が数多くある。
美方町役場脇から、つづらおりの道路を15分ほど登るといきなり視界が開ける。まるで山上の別天地のようだ。 
まだまだ雪が多く、トチノキまではまったく除雪されていない雪の上をラッセルしながら進むしかないようだ。
雪をかき分けながら進むこと15分、前方の山腹に大きな枝張りのトチノキが見えてきた。
「ああ、あれに違いないっ!」気持ちばかりはやるが、積雪のため足がもつれてしまい思うように進めない。悪戦苦闘の末に根元に立つと、まるで樹と密着するように大きな祠が建てられ、写真を撮れるような状況ではないのだ。しかも一番見映えのするところに建てたものだから、なにをかいわんや・・・である。
信仰心から考えると、樹の正面に祠を建てるのが当たり前だろうから、こんな苦情を言っても仕方がないのであるが・・・・・。
後ろにまわり、下から煽るようなアングルで何枚かカメラに納めるも、なんだか消化不良だ。雪をかき分け苦労して到達しただけになおさらである。
資料によると幹周 9.6m 樹高 27m 兵庫県指定天然記念物 となっている。
ちょっと憤懣やるせない思いながらも気分を切り替え、対岸の斜面にあるトチノキ群を撮影に行く。
谷沿いの一本道を行くと、川の中に変わった建築物がある?? よく見てみると魚道だ。
最近はいろんなタイプの魚道があるようだが、なかなか洒落たデザインの魚道もあるもんだと感心してしまう。
川から折れるといきなりの急坂。約20分、車もあえぎながら登っていくといきなり目の前に大きなトチノキが数本現れた。
道路脇にある一本が、もっともバランスがとれている。川を挟んで一本、谷の上部に2本トチノキを見ることができるが、どれも痛みが激しく撮影対象とはならないようだ。
周辺は標高が900mもあるところなので、遅い春の訪れは感じるものの、まだまだ冬の佇まい。 
山から下りる際に眺められる対岸の斜面の棚田がなんとも素晴らしい。
途中のスキー場の駐車場には犬が一匹こちらを眺めている。とんでもなく見晴らしの良い場所を一人で独占している幸せなワンちゃんだ。しきりにしっぽを振って何かを懇願しているようにも見えるので、少し遊んでやるかと思い車を降りると、態度が一変!横を向いて澄まし顔を決め込む。う〜む、撮ってくれと言っているのだろうか?
後ろの棚田をバックに撮影してあげることにした。おそらく彼?彼女かな?はこの景色の素晴らしさに気が付いているんだね!
町に降りてから住人に聞くと、棚田百選に選ばれた田もあるので、是非見て行って下さいとのことだった。 
やれやれ、今日は雪の中を歩きづめだったので、大量の汗をかいてしまった。靴もぐっちょり。
町に戻ると、そこには運良くおじろん温泉があるではないか・・・・・・。
日が傾きかけているので、今日はここで打ち止めとし、ゆっくり浸かることにする。3時間ほど風呂に入っていただろうか。
ほとんど貸し切りに近い状態で、思う存分温泉を満喫したのはいうまでもない。
明日は小浜市の九本ダモを見ようと思う。噂によると、かなりあぶないと聞いているので最初で最後の訪問となるのかも知れない。
これから走り出し、今晩のうちに距離を稼いでおき福井県に入っておこうと思う。 3月26日 3万4千人ほどの人口の小浜市。渋滞はないだろうと郊外で寝たのが大失敗だった。なんと国道は大渋滞。考えてみると海沿いに国道があるだけで、逃げ道は他にはないのだ。仕方なく渋滞の列の中へと埋もれ小浜市の市街地へと向かう。市街地を通り過ぎ、海沿いの城址跡にある小浜神社へと車を導く。
ここには日本最大のタブノキと言っても良い、小浜神社の九本ダモがあるはずだ。
かなり痛んできていると聞いていたが、実際にその姿を見て絶句してしまった。 
名前の通り9本が伸びる枝のうち、7本までが完全に枯れてしまっている。まだ葉を茂らせている2本も、健全なのは1本だけで、残る1本は枯れ葉が目立つ状態である。
ここ2年ほどで急激に樹勢が衰えてきたそうで、樹木医の必至の手当の跡もなんだかむなしく見えてくる。唯一の望みは、ヒコバエが結構成長してきていることで、運が良ければヒコバエ達がこの樹の生命を受け継いでいく事になるのかも知れないと、わずかながらの期待を寄せる。
残念なことだが、本当に生きている姿を見るのは今回で最後となってしまうのかも知れない。 樹の脇では、宮司さんが昆布干しに精を出していたのが印象的だった。(笑)
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