かつてはひなびた温泉街だったのだろうが、大峠の新道が部分開通した影響で温泉客が増えたのであろうか、温泉街を闊歩すると活気ある温泉街であることが分かる。
この熱塩温泉街の中心部より山手に入る小道があり、その先には温泉の守り神でもある、その名も温泉神社に辿り着く。
息を切らし坂を登りきると、そこには素晴らしいスギの巨樹が出迎えてくれる。
坂を登った苦労など、すっかり忘れてしまうほどの迫力である。
根のうねり具合や枝の出方など、すべて絶妙なバランスで成り立っており、私はそれこそ時間の経つのも忘れ、シャッターを押し続けるのに集中してしまっていた。
東側の枝からはスギとしては珍しく乳が垂れ下がり、寒冷地のスギであることを教えてくれている。
特別巨大なスギではないが、紛れもなくスギの名木の範疇の一本であろう。熱塩温泉に宿泊したのなら、ちょっと早起きしてこのスギに会いに行くといい。その価値は十二分にあるだろう
私の中では、忘れがたいスギとなった。