九州の中央部に位置する椎葉村は、平家の落人集落として全国にも有名である。
当然十根川地区にも源平の戦いに敗れた平家の残党が生活していたが、時の鎌倉幕府が討伐の将として那須大八朗宗久を送り込んできた。しかし那須大八朗宗久は、この地で平家の姫君・鶴富姫と恋に落ちてしまう。そして誰も討つことなく、彼は鎌倉へと帰っていくのである。そして鶴富姫は女子を懐妊していた・・・・・
その大八朗宗久が植えたのが、この八村杉だといわれている。
もともとこのスギは傾斜地に立っていたといい、そこを数m埋め立てて平地にしたとのこと。ということは、埋め立て以前は樹高も幹周も日本最大クラスの杉ということになる。とても素晴らしい杉で、日本の名杉を選んだなら、間違いなく真っ先に取り上げるべきスギである。
これ以上ないというような絶好の環境の中にあり、樹姿も若々しい。伝説を無視するわけではないが、実際の樹齢は500年ほどと見たがどうだろうか。
私は21世紀をこの木の根元で迎えた。考えていたわけではないが、自然と足が向いていた。
※1 現地解説板による