阿蘇町と一の宮町との境、高岳から続くなだらかな裾野上にあるスギの奇木である。
道から逸れるとスギが見えてくるが、一瞬来てはならないところに来てしまったという感覚が脳裏をよぎる。
主幹は数年前に落雷により折れてしまったそうだが、根元付近より枝が別れはじめ、それぞれの枝がまるで意志を持っているかのように、思い思いの方向へと伸びている。数多いスギの中でも、ここまで暴れた姿をしているものは珍しく、まるで何かに対して怒りを表しているかのようだ。おどろおどろしいほどの幽玄さを発している。
森を一歩出ると、そこはなだらかな傾斜が続く牧草地。深い呪縛から解放される気持ちになるのは、私だけではあるまい。
※1 現地解説板による