蒲生の大クス
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蒲生の大クス
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| クスは樹齢の長さにおいてはスギやケヤキ等と並んで国産樹種の中でも長寿を誇る樹木であるが、樹高においてはスギに一歩及ばない。しかし、巨樹として最も重要視される幹の太さにおいては、他の樹種の追随を許さないほどの圧倒的な太さを誇っている。 今回の環境庁の調査においても上位10本中9本までがクスで占められ、日本において最も太くなる樹種がクスであることをあらためて裏付けられた。 楠の分布は木に南と書く文字通りに日本の南部に広く分布し、関東以西の温暖な地方に分布し、太平洋沿岸の静岡県、高知県、鹿児島などの北風の弱い地域にはとりわけ大きなクスがみられる。 また、クスノキは特殊な香気を持ち、樹木より樟脳が採取される。新しい防虫剤が盛んに作られている現代でも、樟脳はかなりに広範囲で使われている。 樹木全体が虫除けそのものであるから長寿を誇るのもうなずけようというものだ。 |
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私が初めて蒲生の大クスを訪れたのは、日本一と認定されたその年であった。幹回りが24mにも及ぶ樹木とはいったいどんなものであるのか、どんな表情で迎えてくれるのか、あまりにもけた外れの数値であるため頭の中でも想像が出来ず、まだ見ぬ日本一の巨樹との対面に心躍らせながら訪問したのを今でも鮮明に思い出す。 当日は生憎にも雨模様の日ではあったが、その雨がかえって神聖なな雰囲気を醸し出してくれた。 社殿に向かって左側にその木はずっしりと根を下ろしており、にわかには近づきがたい雰囲気が木の周りには漂っている。 何よりもまず、その大きさよりも途方もない重量感に圧倒された。あまりにも巨大な体を支えるため四方へ張り出した根は、巨大な蛇のように盤踞し、いたる所に巨大なコブを作りだし、その巨体を支えるのに必死であるかのよう。 目が慣れて来るにつれ、その大きさの割には端正な樹姿であることに気がつく。さっそく撮影に取りかかるが、ファインダーを何度覗いても良いアングルが決まらない。あまりにも大きすぎるのである。 |
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やはり2000年近くもの時を経ているわけであるから、その痛みも相当激しく、大きな枝の折れた痕跡や、枯れてしまった枝なども目つく。さらに幹の一部には大きく口を開き、中を覗くと10畳ほどもの大きな空間が目に飛び込んでくる。その見かけの圧倒的な重量感とは裏腹に、大きくなりすぎた体を維持していく木自身の必死の努力がこちらに伝わってくるようである。 |
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