豊臣秀吉の命により切り倒されたとされているスギの切り株である。もし生育して現存するのであれば、屋久島最大と思われるだけではなく、日本最大の樹木であった可能性も捨てきれない。
各資料には胸高周囲13.8mなどと表示されているものを見かけるが、これは胸高ではなく切り口付近の周囲である。
切り口は高さが5mほどの高さであり、胸高の1.3mでは、この値よりも遙かに大きな幹周を誇っているであろう。
この切り株を調べた方の資料によると、樹高も60mほどの高さを持っていたとされており、伐採された梢の先端は現在でも横たわったままであるという。
おそらく樹姿も素晴らしかったと想像され、その為に材として伐採されてしまったのであろう。一方の縄文杉や大王杉は材に問題があり伐採を免れたとも言う。大王杉に至っては、木の裏側に試し切りの跡さえも残っている。
ウイルソン株は、縄文杉へのアプローチの途中にあり、ほとんどの登山者がこの切り株の前で一息入れ、さらに奥への縄文杉への道にトライしていく。ここはちょっとした空間が広がっており、まさに一息つくにはもってこいの場所なのだ。ほとんどの方の目的が縄文杉であろうから致し方ないのであろうが、このスギの偉大さにも気づいて欲しいところである。
伐採から400年もの時間が経つが、一向に朽ち果てることもなくその姿をとどめている。いかに屋久杉が優れた材であるかを、身を以て証明しているかのようである。