東京都の最西部、江戸川に面した善養寺の境内に大きく枝を張るクロマツの巨樹。
いわゆる盆栽仕立て風のマツで、2mほどの高さで東西30m、南北28mもの範囲を覆い尽くしている姿は圧巻そのものである。昭和15年までは、山門を挟んで「星降り松」と呼ばれる、樹高50mにも及ぶもう一本の名松があったのだという。
今は無き、香川県の「岡の松」とともに繁茂面積では甲乙付けがたいと言うことで、この地の出身でもある名横綱栃錦が行司役を勝って出て、それぞれを東西の横綱に推挙したとのエピソードがあるが、実際には「岡の松」の方が一枚上を行っていたであろうか。樹下には、その記念碑が誇らしげに現在も置かれている。
松食い虫が心配されるところだが、周辺のマツが生育する地域と距離が離れていること、その間はすべて市街地ということも手伝って、カミキリや松食い虫も生育できないのであろうか、今のところ心配はなさそうである。
それを証明するかのように、周辺には住宅地に混じってクロマツの梢が数多く眺められる。何とも皮肉なことだ。
※1 環境省資料による
※2 現地解説板による