シイノキの類は、樹形からかごちゃごちゃした印象がぬぐえない。
だが、このシイノキは違っていた。
あまり手入れが行き届いていない竹林の中に、一人踏ん張って生きている力強さを感じるのだ。
恐らくこの木を目的に訪ねるものは、年間に数十人ほどであろうが、その存在感たるや他のシイノキにはない迫力を有していた。
案内板も朽ちかけ、静岡清水合併後の修正も行われていないほど忘れられた存在なのであろうか。
到達までの林道が整備されないことも相まって、ちょっとハードルの高い巨木であることは確かかも知れないが、少々遠くても歩いて訪問するべきシイノキではあろう。
シイノキでここまで心を揺さぶる名木は珍しい。
竹林を除去すると樹勢は戻るのであろうが、現在の雰囲気も捨てがたい。
陰に隠れた存在であるが、巨木の多い静岡県の中でも名木の代表の一本であろう。