熊野神社のけやきは、秩父市の北方、皆野町との境にほど近い太田地区にあるケヤキの巨樹である。
付近一帯は、太田たんぼと呼ばれる秩父地方で最大の穀倉地帯で、熊野神社の鳥居から南側一帯は見渡す限りの田んぼで埋め尽くされている。その穀倉地帯の北の端、背後を赤平川が流れ、長閑な田園地帯のまっただ中にケヤキがある。
社叢林もほとんど無く、ケヤキだけが社殿前に傾いて立っている。
かつては5本ほどの大支幹に別れて生長していたようであるが、現在までに数本が伐採されてしまい、2本の主幹が現在も生き延びている。そのため樹冠は狭く、見た目も少々寂しい感じがする。
一部樹皮も剥がれ落ちており、けっして樹勢はよいとは言えないだろうか。
斜めに傾いた幹を支えるために根張りは力強く、見応え充分であるが、土壌の硬さは如何ともしがたい。
これを改善できたなら、樹勢も変わってくると思うのだが・・・
かつては雨乞いにも担ぎ出されたようで、地域住民の心の拠り所のケヤキであったようだ。