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奈良尾のアコウ




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奈良尾のアコウ
指 定 国指定天然記念物
指定年月日 1961年4月27日 
所在地 長崎県東松浦郡上五島町奈良尾郷
解説板 あり   
樹勢等 良好
特記事項 参道を跨ぐアコウ  
お勧め度 ★★★★★
到達難易度 ☆☆☆☆  下車後すぐ
撮影日 2016年11月19日
 環境省値  解説板値   実測値
幹  周 12.0m   13.90m
樹  高 25m   17.5m
樹  齢 300年以上 650年   
実測詳細 2つに分かれた根も一本の幹として測定 

環境省巨樹データベース上では、かつては日本一の大きさを誇るアコウとして君臨していた名木である。
 しかし、2007年に自分が行った環境省の巨樹データベース調査により、鹿児島県指宿市にある信楽寺のアコウが13.78mで日本一となった経緯があった。
 奈良尾のアコウの幹の形状をどのように判断するかにより、日本一の座も移動しかねない状況で、かなり悩んでいたのも事実。
 今回、奇しくも環境省調査で奈良尾のアコウに訪問することとなった。羽田から長崎に飛び、そこから福江島までボンバルディア、そして中通島へはフェリーで渡るという、日本の最果てまで来てしまったか・・・・・と、そんな印象を持ってしまった地、長崎県五島。

 奈良尾のアコウは、奈良尾港からほど近い古い市街地の中にひっそりと身を隠すように立っていた。
 よく写真で見るのと同じく、神社の参道を大きく跨ぐ格好で仁王立ちしており、そのあまりもの巨大さに息を飲んでしまう。
 参道を跨ぐ格好から、天然の鳥居としても考えられているようであり、頭上から垂れ下がる細い気根には無数のおみくじが結んであり、住民から大切にされていることが伝わってくる。
 さて、問題の幹の太さの計測であるが・・・・・・
 実際にアコウを目の当たりにして考えに考え抜いた結果だが、2本に別れて参道を跨ぐ幹部分を、一本の幹と見なしても良いのではないだろうか?との判断に至った。
 上に向かって別れる巨樹は数あれど、下に向かって幹が別れている巨樹は、それこそ滅多にお目にかかれるものではない。
 おそらく幹の下の空間は人工的に掘られたものに違いなく、かつては幾ばくかの土があったに違いないだろうとの判断だ。
 こうなると測定値が気になってくる。気根が多数あるため、できるだけ主幹に接触するよう、もっとも不利な数値が出るように細心の注意を払って計測した結果が実測値の値である。
 鹿児島県のアコウとは僅差ではあるが、再び日本一の座を奪い返すこととなることが決定したといって良いだろう。(登録は後日)
 
五島の輝かしい歴史を持つ漁業が縮小してしまい、町はかつての賑やかさを失い寂れてきていても、やはりアコウは奈良尾のシンボル的な存在に違いはなかった。
 市街地の建物に埋もれてしまっても、樹冠を大きく広げ、葉の量も多く付け、樹勢は盛んで衰えを知らぬようだ。
 長崎県五島は、自分の考えの中では九州でもかなり北に位置し、アコウの北限地帯というイメージであったが、地図で見ると四国最南端の足摺岬などとほぼ同じ緯度であった。
 アコウも島中のあちらこちらに見られ、もっとも南の福江島には「樫の浦のアコウ」「玉之浦のアコウ」などといった、全国的に知られるアコウも存在している。
 アコウの巨樹巡りと教会巡り、それに名物五島うどんを食せば、五島に来たという満足感も充たされることであろう。


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