御嶽山の麓、開田高原の静かな山村に圧倒的な存在感で立っているトチノキ。
藤屋洞の集落を貫通する旧道からわずかに見渡せるが、芽吹き前に訪問したため最初は岩にしか見えなかった。
根元に立ってみると、もう既に幹の中は完全な中空となっており、何時折れてしまうとも知れない状態で、それでもしたたかに命をつないでいる。
一部の樹皮が生きているに過ぎず、すでに成長を望むべくもない。再訪問した際には最悪の状態も考えられる、そんな状況下にあるトチノキの巨樹である。
わずかに残った一本の幹が空高く聳えているが、かえってその負担が朽ちかけた幹に悪影響しないかと心配になってくるのだ。
御岳山麓にはカツラやトチノキの巨樹が多い。
それだけ山深いところの証明でもあるが、同時に良く自然が残されている証明でもあろう。
次回訪問するまで、どうか無事にいて欲しいトチノキである。