下流に川辺川ダムが建設されることとなっており、将来川底に沈む定めだったイチョウ。
しかし、ここに来て下流の相良村はダム建設反対に回った。
かつては五木村でも反対が多数を占めたが、やがて建設もやむを得ないと建設を受け入れることとなった。そして住民の引っ越しも済んだ2006年末、隣村の反対が表明される。
田口のオオイチョウは、既に2006年初頭に櫓を組まれ剪定も終わり、あとは移植を待つばかりであった。
移植先の土地も確保され、クレーン数台を使った前代未聞の大移動となる予定だった。
五木村の方々は翻弄されつづけてきた。受け入れがたい条件をのみ、まさにダム建設に対して献身の協力をし続けてきたがこの反対表明。今ではダム建設にもクエスチョンマークが付いてしまったようでもある。国も隣町も信じられなくなってしまい、ダムが造られようと造られまいと補助の付いているイチョウの移植は決行するそうである。
かつては村の中心に聳えていたオオイチョウ。
その樹下のお堂前の広場では、子供たちが元気に遊び回っていた。そんな思いでのあるイチョウをこれ以上放って置くことはできない。そんな気持ちからの移植の断行であろう。
ぜひこのイチョウが元気に再生し、再び町のシンボルとして根付くことを期待したい。