環境省調査では日本一の大ヒノキとして脚光を浴びることになったヒノキである。
旧窪川町の中心から折合集落に入り、集落奥の林道に分け入り、更に急斜面を1.5時間かけてようやく対面することが叶う巨樹である。
私が訪問したのは97年で、その際にも噂通りの息絶え絶えの姿であった。訪問から十数年、もう既にかなりの時間が経ってしまったが、2009年現在でも健在と聞いている。
しかし、数年前には残っていた大枝の一本が折損してしまったそうで、さらに衰退に拍車がかかってしまうのではないかと心配である。
大きさは違うが、岐阜県の石徹白の大杉と良く似た雰囲気で、樹皮のごく一部のみが生き残り、上部の枝はほとんどが枯れてしまっている姿だ。
一部でヒノキ日本一の座を降りたと書かれているが、実際にはそんなことはなく、データ上では未だに日本一の座を保ち続けている。
新しいヒノキの巨樹が各地で確認され続けているが、尾根上に育つというヒノキの性質上、新確認のヒノキは山中に存在することがほとんどであり、根上がりのものや数本が合体して成長したものが多く、単純に比較は出来ない状況なのである。
そんな事に拘るよりも、この折合のヒノキの風雪と戦いながら長い年月を生き抜いてきた姿を見たならば、比較云々は一切忘れてしまうだろう。
それほどの神々しさを持ち合わせているヒノキなのである。
相当に弱ってしまったのは非常に残念であるが、これも千年近く生きてきたヒノキの寿命でもあるのだろう。
次回訪問する際にも、そこに存在していて欲しい名木である。