逆ヒバ

伝説によれば、今から千二百年ほど前に、弘法大師が諸国を巡業の折、この地に立ち寄り、湧き水でのどを潤そうとして休憩しました。その際、地面に挿した杖が根づいたのが逆ヒバといわれ、 杖はそのまま根を張って大きくなったと言われています。
 この逆ヒバは、植物名をクロベやクロビ、またはネズコなどといわれています。これは、心材が黒いヒノキ科の一種という意味でこのながあります。 クロベは本州や四国に分布していますが、特に中部以北の深山に多く、県内では、所々の山地の岩石地や尾根などに見られます。
 逆ヒバは、根元の直径が約二メートル、幹の周囲が約四・七五メートルあります。県内の植栽されたクロベの中で、最も古い大木といわれ、これに次ぐものとしては、釜石市の鵜住神社境内や 盛岡市太田薬師神社境内などに残っています。
 逆ヒバという呼び名は、幹が太くなっても根元のほうが細くその上のほうが太くて、あたかも杖の様子を連想させることから、この名がつけられたともいわれています。
 逆ヒバは奥州街道(国道四号、奥州街道)の西脇に立ち、古くから街道を往来する多くの旅人に親しまれ、見守られてきましたが、すぐ脇にある子守観音の神木として大切にされてきました。
 また、逆ヒバの下にある湧き水は、旅人の喉の渇きをいやしたといわれていますが、近年は、周囲の環境の変化によって涸れかかってきています。

平成十六年三月一日

石鳥屋町
石鳥屋町教育委員会


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逆ヒバ



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逆ヒバ
指 定 無し
指定年月日  
所在地 岩手県花巻市石鳥屋町小森林
解説板 あり   詳細を見る
樹勢等 不良
特記事項   
お勧め度 ★★☆☆☆
到達難易度 ★★☆☆ 駐車場所が周辺にはない
撮影日 2008年7月7日
 環境省値  解説板値   実測値
幹  周   4.75m   4.75m   4.69m
樹  高     20m          19m
樹  齢  300年以上   1200年   
実測詳細 地上1.3m地点を計測 

かねてから気になっていたクロベの古木であった。
4号線を通るたびに見つけては寄らなきゃ!と考えてはいるのだが、如何せん交通量の激しい国道沿い、しかもまったく駐車する余裕など全くない場所であったが故に、訪問は延び延びとなっていた。今回は近くにスペースに何とか車をねじ込み、ようやく念願叶っての訪問である。
クロベ自体は国道に面して立っているため、樹勢は良好とは行かない状態であった。
しかし、10数年前に見た姿も同様であり、意外と衰えは進行していないのかもしれないとも思われる。 
国道川から見ると完全な白骨化した姿であるが、裏側から見ると意外なほどに元気そうなのには驚いた。
2株の幹に分かれ成長しており、どちらも少量の葉を茂らせているに過ぎない状態である。
幹の途中から分かれた枝はことごとく枯れ、幹にポッカリと穴を作り出し、白と黒のコントラストが一見不気味な姿を作り出している。
大量に排気ガスに晒されてはいるが、根元に近づく人はほとんどおらず、これが功を奏しているのかもしれない。
平地でこれだけのクロベはなかなかお目にかかれることは珍しく、なかなか貴重な存在であると言えそうだ。


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