花咲集落の山際にある佐藤家の裏山にあるイチイの巨木。
スギやケヤキなどを見慣れている方にとってはそれほどの大きさには感じないだろうが、本州にあるイチイとしては有数なものといっても良いだろう。
関東では奥多摩町にある大ダワのイチイと双璧であり、実測値では5cmほど大ダワのイチイが勝っているが、環境省のデータベース上ではまったく同じ大きさでの登録となっている。
イチイの常であるが、墓標として植えられていることが多いが、このイチイも樹下にはやはり古い墓が存在している。
名称の「しばぎわ」であるが、道行く人に尋ねてみると、これは所有者佐藤家の屋号とのことだ。
地上2mくらいまでの高さには枯れ枝の痕跡もあるが、これは役目を終えた枝の痕跡であろう。上部の枝はほとんど損傷もなく、完全な樹冠を誇っているのは貴重である。
イチイがこれだけの元気さで育っているところを見ると、片品村の寒冷な気候がイチイの生育条件によほど適していたのであろう。
関東でこれほどのイチイを見られるとは考えてもいなかったので、訪問時には得した気分となったのはいうまでもない。分かる人には分かるすばらしい樹である。