1993年7月、巨樹の会が田沢湖町にてブナの調査を行い、小影山山頂にてこのブナを確認した。
小影山の頂上台地は、しっとりとした湿潤な台地で、ブナの生育にはもってこいの条件。カツラの芳香が神代湖から微風に運ばれてきて、まさに森林浴そのものと言った雰囲気だった。
当日は東京の読売新聞の記者も同行し、発見と同時に数枚の写真を撮影し、夕刊に間に合わせるため、転がり落ちるように山を下っていったのを思い出す。
わずか10年ほど前のことであるが、現在のデジカメや通信技術とは隔世の違いがあることに、改めて驚かされてしまう。
後に確認されることとなる「白岩岳のブナ」よりも、視覚的にはこちらの方が一回り大きいであろうか。
東北には八幡平や、和賀山塊、鳥海山など、まだまだブナの宝庫がある。何処も手つかずの自然が残る地でもあり、私たちはこのブナ林を後世へ伝えるためにも、うわべだけの保護ではなく、大切にそっとしておきたいものである。
※1 資料無し