「一冊の本」

YASUSI

 
まだ若い頃、友達と3人で愛媛県三崎町の突端にある佐田岬に行った。ワゴン車で夜中に走り出し、港に着くとそこで朝まで酒を飲んだ。明け方にややふらつきながら、灯台に向かって歩き出した時、何気なく目に留まったのが国の天然記念物というアコウの木。


「なんでそんな物見とん?」
不意にそう聞かれたけれど自分でもよくわからない。
「なんか、あの根っこの感じが・・・」
コンクリートの壁に張り付いたような根の固まりに何故だか惹き付けられた。



 それから暫くして「愛媛県老樹名木図説」という本の存在を知る。ああいう物がまだ他にも沢山あるんだろうか?そう考えるうち、どうしてもその本が見たくなり、方々に問い合わせたがなかなか見つからない。最後にある方からその著者である山本先生を紹介して頂き、幸運にも先生とお話する機会ができた。そして先生のご配慮で昭和四十一年に発行されたその貴重な本を手にする事と成った。そこには今まで見た事もないような巨木が居並んでいる。白黒の小さな写真から伝わる、なんともいえない魅力。そして写真に添えられた簡潔で朴訥とした文章の味わいに、一気に引きずり込まれてしまった。一つには郷愁のような物を感じたせいかもしれない。

 その後、先生には椋の葉を鑑定して頂いたり、葉の標本や貴重な資料を頂く等、本当にお世話になり感謝に絶えない気持ちで、全ては私の宝物になっている。

先生が気宇壮大と讃えられた「三本杉」は健在でした。立派な樹です。郷土の宝ですねえ。


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