ハナミズキ(DOGWOOD)

雲流ワイフ

                               
  私の娘の名前はミズキ(瑞木)です。今日はその謂れについてお話します。
娘はアメリカ合衆国のノースキャロライナ州(NC)のダーラムというところで約24年前の6月に生まれました。その生まれた月の水無月(ミナヅキ)ということにも引っ掛けて命名しているのですが、主たる命名理由はハナミズキのミズキなのです。
その生まれた場所のダーラムですが、そこはあのBlue Devilのニックネームをもつデユ―ク大学があるところです。バージニア州もそうですが、NCの州花(State Flower)はFlowering Dogwoodで、日本ではハナミズキ(和名はアメリカヤマボウシ)と呼ぶところからつけました。20数年前ではそんな名前は余り多くなく、随分思い切った名前だったと思います。
一寸脱線しますが、DogwoodのDogはその木の皮を煎じたものをイヌの蚤(しらみ)退治に用いることに由来しているそうです。この瑞木という漢字も実を言って一寸いきさつがあるのです。私の夫の家系では今まで女の子は殆ど生まれていず、男の子の名前しか予め考えていなかったのです。その名前は瑞樹(ミズキ)でした。しかし実際に出産現場で立ち会った夫の前に出てきたのは驚くなかれ女の子でした。お互いにびっくりし、どうしようということになり、瑞樹を瑞木にしたら、少しは女らしくなるという単純な夫の発想(夫はとてもめんどうくさがり屋ですので)からそのように命名しました。

  思い起せば、約25年前、誕生後4ヶ月の赤子の息子、土夢(とむ)を連れて私達家族3人がアメリカへ移ってはじめ住んだのは同じNC州のTar HeelのニックネームをもつUNCという大学のあるチャペルヒル(ダーラムの隣町)に住んだのがことの始まりです。そこはもう春になるといっせいに種々の花々が咲き乱れ、ハナミズキも日本のように街路樹的、庭木的ではなくて、民家の周囲や大学のキャンパスでどこということもなく雑木のようにあたり一面に咲き、それはそれはもう「おとぎの国」にいるような感じでありました。
その当時、能く木の名前も知らなかったので、名前を聞くとDogwoodといい、日本ではハナミズキと呼ばれていることも知りました。このときから、「おとぎの国」に因んだ名前を子供につけよう思うようになりました。当時としては一寸大胆な名前の付け方だったかもしれませんが、今から思えばこれはこれでよかったのだと思っています。娘の瑞木自身も気に入っている名前だし、その名前が縁でかどうか知らないが、自然に、樹木に親しむ人間に今は成長しているようで、親としては結果的に無茶な名前ではなかったと安堵しているところです。

  瑞木が生まれた後、約2年後に日本に戻ってきたのですが、瑞木が二十歳(はたち)になったとき、そのNCの思い出の地を家族4人で再び訪れ、ここが瑞木が生まれた病院であることや、ここのアパートで生活していたことなどを娘たちに伝えました。何かそこでの数年ではありますが、その後の私たちの生活における私のものの考え方、つまり自由な発想とか合理的な考え方とかの原点があるように思われます。日本に戻ってからはこの考え方が日本では自然の場合もありますが、そうでない場合も多々ありますが、ともかくも生き続けています。
今、娘は北海道に住んでいますが、私は群馬県の片田舎に住んでいます。その庭には「ハナミズキ」ではなくて、群馬県黒保根村の林道で数年前に拾ってきた小さい「ミズキ」の木が植えてあります。数年しかたっていませんが、ミズキの木は少し隣の庭への侵入を気にしながらドンドン育っているようです。そのミズキが層を作って咲く白い花はまだ一度も見ていませんが、そのうちに咲くでしょう。ゆっくり待っていたいと思います。


ワイフはこの瑞木(ミズキ)を育てるのにこれまで色々と苦労しているようです。海外での慣れないい娘の出産と息子の育児。それを余り支援しなかった私。日本へ戻ってからも実の母のいないワイフは育児書を片手に後戻りのきかない試行錯誤でこれまできている。私としてはただ感謝するのみである(2002.10.15雲流太郎)。 





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