花じい石澤
百人一樹にお誘いをいただいた際、即座に心に浮かび上がったのは「ユズリハ」だった。
そのユズリハは、私の養父(私が小さいとき、母がもうだめだというので養子に行ったが、その後生き返って元の家に戻った。しかしその後もその養父母とは行き来があり、この2人の葬儀は私が喪主を務めることとなった)とその義父の2人で植えたものと聞かされていた。 その養父母も死にさらにその家も取り壊されてしまった今となってはユズリハだけがその家の想いでとして私に残されたものだった。そして皮肉にも家が絶えた今大きく立派な葉を茂らしていた。 「絶えし家(や)に ユズリハ一本(ひともと) 今盛りなり」 昨年私が詠んだものだが、素人の慰めの句であり季語がどうなっているのかなど野暮なことは聞かないで欲しい。 さて、心の傷も癒えたところで「何かいい樹がないかなあ」と思ってみたが、私にとって心に残るもう一つの大事な樹は、立山の材木坂の大ナツツバキ(この材木坂の中では最も「大」なのです)であった。
「雪深み 折れし老樹と 夢語る 一本咲ける 幼樹(おさなぎ)の春」
富山の「花じい」こと石澤さんは、私のHP「このきなんのき」で最初に常連さんになってくれた方です。立山を中心とした登山経験が豊富で、植物に大変詳しいばかりでなく、何でも味見毒味したり、壮絶な遭難記をお持ちなど、とても頼もしくてユニークなじいさんです。
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